犬の老化サインはどんなものがありますか?

我々人間にも気になる老化現象、例えば人では疲れが溜まる、老眼や白内障、ヒザや腰が痛くなる、白髪が目立つ、そして痴呆・・・などなど、色々とありますね。人の一生と比べて犬の一生は約4分の1、愛くるしく小さかった子犬が、あっという間に成犬になり、そして気が付いた時にはもう老犬になってしまいます。

しかし飼い主であるあなたがワンちゃんの異常を知らせるサインに早めに気が付き、すぐに対処することで老化の進行を遅らせたり、深刻な病気を発見したりすることができるのです。これから私は、あなたのワンちゃんに健康で穏やかな老後を送ってもらうために必要な観察の目を養うお手伝いをさせていただきます。

では、あなたの最愛のワンちゃんに老化や体の異常が始まった場合、気が付いてあげられるサインにはいったいどのようなものがあるのでしょうか?

体に現れる老化サイン

olddog02

まずは外貌の変化(サイン)を観察していきますね。特に避妊や去勢の手術をしていないワンちゃんの、生殖器のサインは命にかかわる病気の早期発見にもつながりますので見逃さないようにしましょう。

  • 瞳が白くなってきた
  • 眼の輝きが無くなってきた
  • 目ヤニが多くなってきた
  • いつも眼球が細かく動く(振動する)ようになった
  • 口臭が強くなってきた
  • 鼻が乾いている時間が長くなってきた
  • 白い毛が目立つようになってきた
  • 地肌が見えるようになってきた
  • 毛に艶が無くなってきた
  • 皮膚にデキモノ(イボなど)ができた
  • 皮膚にシミが増えてきた
  • 最近いつも首が傾いている
  • しっぽの毛が薄くなってきた
  • ♂睾丸が大きくなってきた
  • ♂肛門の周りにデキモノができた
  • ♂最近ウンチが細くなってきた、便秘気味になった
  • ♀オリモノが出るようになった
  • ♀おなかや胸にデキモノができた

思い当たるサインはありませんでしたか?目、耳、口、鼻そして全身の皮膚被毛のチェックは日頃から習慣化しておきましょう。

行動に現れる老化サイン

olddog16

次に、朝起きてからの一日の行動を観察してみましょう。行動の変化は、痴呆や深刻な病気の発見につながります。

  • 寝ている時間が長くなってきた
  • 起床後スムーズに立ち上がれなくなった
  • 立ち上がってしばらくはビッコを引くか足を引きずるようになった
  • 食べるスピードが遅くなってきた
  • 食べるのが下手になってきた
  • 食べたそうなのに、食事を中断してしまうようになった
  • 食欲が減ってきた(増えてきた)
  • 水を飲む量が増えてきた(減ってきた)
  • よく吐くようになってきた
  • おしっこやうんちの時間が長くなるか、回数が増えてきた(減ってきた)
  • 粗相をするようになった
  • 散歩や運動の途中で帰りたがる、あるいは動かなくなることが多くなった
  • 段差の上り下りに戸惑うようになった
  • 特に散歩中、物にぶつかることが多くなった
  • 歩くときに腰を丸めるようになった
  • ヒジやヒザをあまり曲げずにトボトボと歩くようになった
  • 名前を呼ばれても気が付かなくなった
  • 音や振動に驚くか怯えるようになった
  • 普段の息遣いが荒くなってきた
  • タンが絡んだような咳をするようになってきた
  • 意味もなく歩き回るようになってきた
  • 寒くなくても震えるようになってきた
  • 夜中に遠吠えや徘徊をするようになった

どうでしょうか?先ほども書きましたが、行動の変化は老化以外に重要な病気が隠されていることも多いので、サインに気が付いたら早めに掛かりつけの病院に相談してくださいね。

心に現れる老化サイン

olddog20

最後に感情の変化も見てみましょう。

  • 食べ物や行動に頑固な面が出てきた
  • 穏やかだったのに、怒ったり噛みついたりするようになってきた
  • ボーっとしている時間が多くなってきた
  • 顔の表情が乏しくなってきた
  • 感情の起伏が激しくなってきた(あるいは感情を出さなくなってきた)
  • 寒さに弱くなり、動きたがらなくなってきた

いかがですか?特に顔の表情が乏しくなり、寒さなど環境のストレスに弱くなった場合は、老化以外にホルモンの異常(甲状腺機能低下症)も考えられます。

苦しみや痛みの少ない老後の為に

これまでお話ししたサインが当てはまる場合、痴呆などの老化現象のほかに年を取ってから罹りやすい様々な病気(白内障や関節炎、内臓の機能障害など)になっている可能性があります。ワンちゃんに苦しみや痛みの少ない、穏やかな老後を送らせてあげられるよう、時々これらのサインをチェックしてください。ワンちゃんの健康を保つことは、飼い主であるあなたの心の健康を保つ大きな要因でもあります。

そのために私たち獣医師をうまく使ってください。まずはしっかりと話を聞いて、答えてくれる病院を選びましょう。特に5歳以上のワンちゃんは、ワクチン接種の時など少なくとも一年に一回は病院で健康診断を受けてください。一年に一回でも、人の時間では四年に一回程度になります。

その時に、日頃気になっていることをメモして持っていくと良いでしょう。治療や様々なアドバイスをしてもらえるはずです。痴呆の症状が出ても諦めないでください。今は痴呆症状の緩和に役立つサプリメントも種類が豊富に出ています。

最後まで読んでいただいた皆様に、私から重要な話を一つさせてください。

病院で生活習慣上のアドバイスをされた場合は、アドバイスを聞いただけで満足してはいけません。実行できるかできないかその場で考え、できそうにない場合は必ずその場で相談しましょう。きっと代替えのアドバイスをもらえます。そしてワンちゃんの穏やかな老後のために、すぐに実行していくことが大切です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
加藤孝行

加藤孝行北海道帯広市 加幸ペット病院 院長

投稿者プロフィール

ペットの健康と飼い主さんの心を大切に、一次診療と長骨骨折治療のエキスパートを目指しています。十勝管内の往診も幅広く対応させて頂いております。まずはお電話にてお気軽にお問い合わせください。

北海道帯広市:加幸ペット病院のページへ

この著者の最新の記事

関連記事

ピックアップ記事

  1. ここを読んでおられる方の中には、もう長いことワンちゃんの外耳道炎でお悩みの方もいらっしゃると思います…
  2. 「ワンちゃんに耳掃除をしてあげた方がいいのかな?耳垢が溜まるかもしれないし、放っておくとバイキンが繁…
  3. あなたは、ダイエットというとどんな方法を思い浮かべますか?運動でしょうか?食事制限でしょうか?あるい…
  4. 結論から言いますと、サプリメントは活用すると良い場合もありますが、無駄になるだけの場合も多いと思いま…
  5. 意外と飼っているワンちゃんのお口の健康を、あまり気にしない飼い主さんが多いのですが、昔から歯は健康の…

スポンサードリンク

ページ上部へ戻る